ドクターNとKの診療室 - はしもとおもちゃ病院2

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ドクターNとKの診療室

スノードーム  

添付画像  金魚鉢をひっくり返すと、これこのとおりスノードームに。中にはサンタさんのそりが浮いています。底のねじを巻くとオルゴールが鳴って、サンタさんが飛び回るんです。なかなかきれいです。

 ということで、直ったように見えますが、実は水漏れは根本的なところに原因があります。中心に針金が通っていて、外から回転させるという機構、当然これを伝って水が漏れてきます。回すとどんどん漏れます。ゴムのパッキンが劣化しているのです。特殊な形で、我々が作るのはちょっと無理です。

 少し水が漏れると今度は、空気がたまって気温や、外気圧の変化で水が下に押し出されます。するとさらに空気がたまるという具合です。
 
 しばらく様子を見て楽しんでいただくのがいいかなと考えています。
 漏れたらまた直しましょう。


うわー部品が余った  

添付画像
 今日見せてもらったのはハンドル操作型ラジコンカー。全く操作できないとのこと。コントローラのアンテナから電波が出ていません。原因はこれのようです。まだ新しいおもちゃです。ハンドル型のコントローラを分解します。たくさんのねじを外して輪の部分を輪に沿って上下に半分に分割。中が見えました。分解中にポロッと落ちてきた部品が2個。1個は赤い操作棒状のもの。もう一つは黒の小さい箱形のパーツ。
 
 慎重に内部を点検。何度か中を見直したときに、発見しました。基板から黒い線が外れています。ルーペでよく見ると、もともとかろうじて付いていたようで、なにかの衝撃で取れてしまったようです。製造ミスです。早速半田付けしてチェックするとアンテナから電波が出始めました。車は動きません。

 一緒に見てくれていたドクターがコントロールのチャンネルを合わせようと言って、それぞれ1チャンネルにしました。とたんに動き出しました。前後、左右、ブレーキ、警音、など全部効きます。いやーよかった。

 では、組み立てましょう。ぽろっと落ちてきた赤いレバーはウインカーで、はめ込みました。ところが、黒い細い箱状パーツのはめ込み位置がわからない。居合わせた他のドクターにも視点を変えてみてもらいましたが、だめ。組み立ててみました、操作すると特に不具合はないようです。

 本当ならお預かりしてゆっくり、あーでもない、こーでもないと、見たいところですがちょっと遠方から来て頂いたそうで、修理のあいだもずっと待っていてくれました。それでは、再度来て頂くというのもつらいので、事情を正直にお話ししました。
 「部品があまってしまいました」「もし、不具合がでたときに備えて捨てないで持っていてください」。

 早速テスト走行してもらいました。お子さんは満面の笑顔でした。


re: うわー部品が余った    そらさん 2/28(金) [編集]

先日はありがとうございました。今でも、元気に走り回っています!また遊びに行かせてくださいね!


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金魚鉢?  

添付画像  今回お預かりしたのは、スノードーム。金魚鉢ではありません。
 
 ただのスノードームではありません。中のサンタと山岳鉄道が動くのです。水漏れで、中の水がかなり減ったというお話。底のねじを巻くとオルゴールが鳴ってそのときにサンタと列車が動くのですがこれも鳴りにくいと。

 さて、水漏れはゴムのパッキンと、動く部分の接着が外れており、そこから漏れていたようです。オルゴールも水を浴びて結構さびています。中の水を思い切って捨てました。ただし、スノードームであるための雪は捨てられないので、コーヒー用の濾紙で濾しとりました。

水は何を使えばいいのか。お話では漏れた水は乾くと塊になったとか。いろいろ調べると雪をゆっくり落とすために水に粘性を持たせているそうで、なんと洗濯用の液体糊をまぜて使うそうです。早速、別のペットボトルで実験中です。さらに腐ってはいけないので手の消毒に使う塩化ベンザルコニウムを少量。これで、しばらくペットボトルで様子を見ます。

 オルゴールは油をばんばん振りかけて、さびも取ったらある程度よくなりましたのでそのまま使います。 

つづく


プラレール機関車  

添付画像  先日のチョロQは結局だめでした。昔のチョロQと違ってハイテクチョロQです。赤外線リモコンで、前後左右のコントロールができるというすごいもの。このおもちゃは充電できるリチウム電池を搭載していて、古くなるとこれがだめになるというケースがあります。

 今回のは買って間もないそうで、電池はいいのですが、モーターの回転がおかしくなっていました。ローターの一部で断線したような感じです。手で起動してやらないと回らないという状態でした。当然トルクも弱くなっています。直径5mm、長さ10mmの極小モーターです。
 
 今回も院長のドラえもんポケットを見てもらったら、小さいモーターが数個ありました。携帯電話の振動を起こすためのモーターで、直径3mm、長さ7mmくらい。ゴムのカバーが付いていてこれを付けたままだとなんとか納まる。入れてみましたが、モーターのトルクがあまりに弱く、ギアを回す力がありませんでした。残念ながら修理不可でお返ししました。

 今週預かったのはプラレール、ここまで大きいおもちゃは扱いやすい。腐食した電池の極板を交換し、油脂が固まって動かないモーターを交換したら、元気になりました。外したLEDヘッドライトの配線もやり直そうとしたら、なんかおかしい。抵抗がない。LEDに電池が直結している。まあ、こわれてもLEDくらいなら予備はたくさんありますからおそるおそる電池をつないでみました。普通に点灯します。なんと電流制限用の抵抗入りのようです。もしくは定電流ダイオード入り。こんなのがあるのかとネットで検索すると普通に出てきます。

 結構古いプラレールなんで、かなり前からこんなパーツはあったということ。ついていけませんわ。

丈夫な消防車  

添付画像  13日は研究会でした。担当した内の一つがこれ。かなり古い物でしたが、頑丈そうな作りです。動かないとのことで、見てみましたら電池の極板がさびています。電池が液漏れしたようです。ふつう、この手の故障は極板を交換します。さびてぼろぼろになるのです。
 
 ところが、このおもちゃは極板が分厚い。ヤスリでがんがん削ってさびを落としたら充分使えそうです。中も確認しましたら、スイッチあたりの金属が滑りにくくなっています。注油をして組み立て直したらサイレンはなるわ、ばんばん走るわ。実に頑丈なおもちゃです。
 
 昔のは値打ちがありますね。


ぬいぐるみに加速度センサーが 2013.6.8  

添付画像 添付画像  今回お預かりしたのは「ぽっちゃま」というお喋りぬいぐるみです。ぽちゃっというような表現を多用するおもちゃで、症状はしゃべらないというものです。

 電源を入れ、手を握ると喋るはずなんですがとのこと。まあ、たいがいスピーカーなんかの断線でしょう。ということで開いてみました。あまりよくない線材を使っていたようで、手のひらのスイッチ、スピーカの線ともに切れています。ぬいぐるみの修理はこの状態まで来るのが大変なんです。苦手です。

 この日は3個目の修理で時間切れとなり、お預かりしました。自宅で仮に線を繋いでみると、ちゃんと喋ります。スピーカーは大丈夫。内部を見ますと、本体の回路基盤とは別に少し上にICが1個乗った基盤があります。これ、実は加速度センサーです。要は、手を握るとか(これはスイッチ)、ぬいぐるみ自体をゆするとか、たたくとか、落とすとかするとその動きに応じた喋りをするわけです。3軸のセンサーなので、上下、左右、前後の動きを察知して喋り分けることができるようになっています。なかなか凝ったおもちゃです。

 線は付けましたが、さて中に戻すのが大変。苦手です。


楽勝のはずが・・

添付画像  今日もNHK他、各社の取材がこられました。中学生ドクターが表彰されるので、その取材です、かなり緊張していました。でも今日は前に預かったラジコンカーをみごと修理してばんばん走らせていました。これはさすがにうれしそうでした。

 さて、私の方はファンファンキーボードという楽器です。動作はよくあるアンパンマンキーボードと同じ。いくつかのキーが効かないという症状でした。楽勝とおもいきや、院長先生が特定の一連キーが効かないときはその系統の配線かもと、アドバイスをくれたのです。まずキーを掃除しましたが、NG。やはり一連のキーがダメということで、原因はさらに内部に。おいかけましたが、配線に不良個所はなく、ICまで行き着いてしまいました。
 嫌な予感がします。楽勝どころか、ICの内部不良は決定的にまずい。持ち帰りますが、ちょっと今回はあかんかも。

なんばパークスのトイレで   また、おもちゃネタではありませんが・・

 今日は難波へ出かけました。部品の買い出しもあって日本橋を物色するのがメイン。あとは書店やらえびすばし通りやらで買い物です。昼過ぎに着いて、なんばパークスで食事。さて日本橋に出かける前に小用足しに入りました。下の方を見ると放物線の終点あたりにテントウムシの丸い絵が書いてあります。目標ですね。ちゃんとそのようにしますと、なんと紺色だったテントウムシがピンク色に変わっています。おもわず数㎝外してみますと徐々に色が戻ります。また狙ってみますとピンクに。いつまでも続くわけはないので、終わりました。水がさっと流れると、ぱっと紺色に戻ります。やっぱりそうです。温度で色が変わるようにしてあるんですね。

 しかしなかなかおもしろい気遣いですね。昔からあるんでしょうか。メーカー名を見てくるのは忘れました。

エアサッカー 楽勝? 2013.4.28(日)

添付画像
 今日私が担当したのはエアサッカー。エアホッケーとまあ同じです。穴がたくさんあいたボードの上に丸い円盤を載せて下から空気を出すとつるつると滑っていくゲームです。

 電源スイッチを入れても全く反応なし。モーターが壊れているのか、配線が切れているのか。とりあえず、裏蓋をあけて様子を見ました。これがけっこうな作業なのです。なにしろネジの数が多い。きっちりした作りなのです。空気漏れがあるとまずいのでしょうね。すぐに原因がわかりました。電源スイッチが接点不良でした。取り替えようかと思いましたが、2回路といって、一つのスイッチに2つの接点が入っているタイプで、片方が使われていませんでした。そこで、これをちょんとつないで、並列接続にするとすぐになおりました。楽勝、楽勝。ネジを締めて蓋をします。

 問題はここからでした。ゴールを決めて得点すると、旗を振る仕掛けがあるのですが、片方のチームの分が動かない。そこで、ギアボックスをあけると、ギアにプラスチックの欠片がはさまっていたのです。これを取り除いてこれもOK。また沢山のねじをしめて元に戻します。780円の電動ドライバはほんとうに有り難い存在です。
 すぐに取りに来て下さいました。「うわー子供が喜ぶわー」って言ってくださいました。至福。

献血しました   おもちゃネタではありませんが・・

 先日献血に行きました。献血は会社時代から年に2回の恒例となっています。採血中はひまなので看護師さんに話し掛けるのですが、まえから気になっていることを聞いてみました。

 献血前に検査をするときの採血ではアルコールで簡単に消毒するのですが、本番ではさらにヨードを塗って消毒します。その違いを聞きました。答えは簡単、輸血を受ける人の為に消毒を念入りにするのです。あなたの為ではありませんとの事。

 私の場合は健康で献血をする立場なので、多少雑菌が体内に侵入しても問題ないのだそうです。輸血を受ける立場の人はそうは行かない。病気であったり、ケガをしたりと弱い状態なので少しでもそうしたリスクを抑えるということだそうです。

 ま、一応納得はしましたがね。

アシモのギア 2013.3.24   ギアの歯が欠けている

添付画像 添付画像  アシモです。小さいアシモで、歩くだけです。ところが、1歩くらい歩くと足が動かなくなる。少し動いてそこで止まるというのはたいがいギアの歯が欠けてしまったという原因が多いようです。早速分解してみました。やはりギアが欠けています。同じ部品は残念ながら院長もお持ちではありませんでした。しかし、使えそうなギアを出してくれました。そこで、今のギアに貼り付けて使えないかと言うのが今回の対策です。
 材料に詳しいドクターに聞いてみたところ、ギアはポリアセタールという樹脂かもしれないということです。ポリエチレン同様接着が極めて困難な素材です。しかし、院長はそれにも対応した接着剤をお持ちでした。お借りして貼り付けたのが写真です。欠けた部分をとなりのギアでカバーしようというもくろみです。ついでに剥がれないよう、金属のピンを通しました。0.8㍉の穴を2個空けて通してあります。さて組み立てよう。今回はおおぜいのドクターが取り囲んでくれていろんなアイデアをつぎつぎに出してくれました。自宅でじっくり修理するのもいいのですが、ともすると袋小路に迷い込んでしまいます。たくさんの仲間がいるのは心強い限りです。

バケットが逆 2013.2.24 ありゃ、ショベルカーが戻ってきた

添付画像 添付画像  写真のショベルカーが戻ってきました。前回でしたか、別のドクターが本体部分を修理、私は外れていたバケット部分の修理だけを担当したのです。割れていたバケット部分は、エポキシ接着剤で止めておいたのですが、また取れてぶらぶらでした。
 それより、バケットが外を向いていたのです(写真左の感じです)。持ってこられた方が「逆です・・・」と。分解して組み直します。取れた部分はビスとポリプロピレン用の接着剤でしっかり止めました。うまく動作します。
 おちついてよく見ればすぐ分かったはずなんですけどねえ。ごめんね。

                          (左の写真は合成です)


にがてです

修理するのが苦手なおもちゃは・・・

1. ぬいぐるみ  中の機械部分を取り出すのが一苦労

2. 空気で膨らませたビニール製おもちゃ  接着部分で空気漏れがあると、すごく難しい

3. ラジコン 断線など簡単な修理でなおらないものは資料もなくきびしい

4. その他部品が手に入らないもの  いっぱいありすぎて困ります



 それでも逃げ手はあるんですよ。ぬいぐるみはだめなときは女性ドクターに泣きつきます

 他のおもちゃも、集まって相談するとたいがい良い智恵が出てきます。


おもちゃ修理の逃げ手とは

添付画像 おもちゃを修理しているといろんなケースに出会います。電線が切れているとか、部品が壊れていて交換したら治ったなんていうのは故障としては軽いケースです。完全に元通りになります。でも、合う部品がないとか、プラスチックの割れなんていうのはメーカーでないかぎり交換部品が手に入りません。以前は部品を供給してくれた、さるメーカーも最近はいっさいだめになったとか。こういうときはもちろんできるだけ代替品を探します。

 スピーカーなどは音が出ればなんでもOKです。外から見えないので気が楽です。こうしたことも含めて私は逃げ手だと考えています。要は、故障したおもちゃがもう一度使えればいいので、ちょっと形が変わっても、変な部品が付いていても捨てるよりはいいと思います。もちろん「想い出の品だから傷を付けないで」なんて場合はそれが最優先します。

 先日の有田川出張では、微妙な力加減がまずいのか、どうしても動作が安定しないおもちゃがありました。でも、ちょっと手で持ち上げてやるとちゃんと動きます。逃げ手は、本体の足を少し高くするというものでした。足を固定するねじをいっぱいに差し込まない状態で、接着して固定。すると安定した動作となりました。元々どうなって動いていたんでしょうね。

 おもちゃ修理はこうした逃げ手をいかに工夫できるかも楽しみのポイントです。達人は経験からそうした技術、知識をいっぱい持っていていつも驚かされます。

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